新型コロナの食品汚染はあるのか?

皆さんこんにちは

食品衛生コンサルタントの大野です。

 

WHOから新型コロナの流行はヨーロッパへ移ったと発表がありましたね。

イタリアは医療崩壊寸前。日本も同様のことが起こりうるのでしょうか

 

さて変なデマも飛び交っている中新型コロナが食品を汚染するのかというのが気になるところ。

WHOの正式発表が下記

 

食品安全情報2020年5号(2020/03/04)収載)

 世界保健機関(WHO)が発表したコロナウイルス感染症(COVID-19)の状況報告書から食品関連の内容【食品に関連した考察(SUBJECT IN FOCUS: Food related considerations)】部分を紹介する。

 新型のコロナウイルス感染症(COVID-19)の病因物質は、コロナウイルス「SARS-CoV-2」である。SARS-CoV-2の自然界でのレゼルボアはコウモリである可能性が高いが、種の壁を越えて他の中間動物宿主からヒトに伝播したと考えられている。この中間動物宿主は食料生産動物、野生動物、飼育野生動物である可能性はあるものの、まだ確定できていない。

 WHOは、COVID-19対策のために不足している部分と優先すべき研究課題を特定するために、専門家、加盟国およびその他の関連機関と協力し、国および個人向けに予防策に関する助言を行っている。各国の食品安全当局は、国際的に取引される食品の表面でのウイルスの生存能力、および食品がウイルス伝播を媒介する可能性に関する情報をさらに収集するために、国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)事務局とともに状況を注視している。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)や中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)などのコロナウイルス関連の過去のアウトブレイクからの経験では、食品の喫食を介する感染は起こっていないことが示されている。現時点では、食品を介してSARS-CoV-2に感染した事例の報告はない。しかし、生の動物由来食品の表面でのこれらのウイルスの生存能力については懸念が示されてきた。

 現在、SARS-CoV-2の生存率および生存時間を評価するための研究が行われている。他のコロナウイルスに関するいくつかの研究によると、一般にコロナウイルスは冷凍状態で非常に安定しており、-20℃で最長で2年間生存することが示されている。SARS-CoVおよびMERS-CoVに関する研究では、温度・湿度・光などのパラメータの組み合わせ次第で、これらのウイルスが様々な条件下の物質表面で数日間生存できることが示されている。たとえば、MERS-CoVは冷蔵温度(4℃)で最長で72時間生存できることが示されている。他のコロナウイルス株に関する現時点でのエビデンスによると、コロナウイルスは低温または冷凍で一定期間安定していると考えられるが、食品を介する伝播は食品衛生対策および適切な食品安全規範の遵守によって予防可能である。コロナウイルスは熱に不安定で、通常の加熱調理温度(70℃)に感受性である。したがって、一般的な対策として、生または加熱不十分な動物由来食品は喫食すべきでない。また生肉、生乳、および動物の生の組織は、未加熱の食品との交差汚染を防ぐため、注意深く取り扱うべきである。

 SARS-CoVおよびMERS-CoVは、ほとんどの一般的な洗浄・消毒方法に感受性であり、SARS-CoV-2の性質がそれらと異なることを示すエビデンスは今のところ存在しない。

引用 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/2019-nCoV/2019-nCoVwho2.html

長ったらしいですが

・食品を介した事例はないこと

・冷凍冷蔵では一定期間生き延びることが知られているが70℃程度の温度では不安定

・よって通常の食品衛生管理をすれば大丈夫

ということです

 

これを受けて農水が出している資料です

 

デマが飛び交って食品会社も被害を被っているようです。

こういった事業者様を少しでもご支援出来たらと考えています。

正しい情報をもとに正しく警戒を。

 

食中毒に対する危機意識も持ってもらえるとありがたいものです

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました