チャーシューの持ち帰り記事の件

みなさんこんにちは

 

食品衛生コンサルタントの大野です。

新型コロナ、相変わらず感染者数は増えていますが場所が夜の街と限定的になってきたこともあり

東京アラートも解除か?というところになってきました

 

先日ブログで取り上げました飲食店のテイクアウトの件ちょうど先日ニュース記事になってましたが

この解説者さん新法についての知見がないんでしょうかね

改正前の解説になっていますのでここで掘り下げていきましょう

(抜粋)

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「飲食店の営業許可では、ご飯とおかずがセットになっているお弁当のみ販売が許可されています。もしおつまみセットなど総菜のみを販売する場合は『そうざい製造業』の申請・許可が必要です。焼肉店も、生肉を売る場合には『食肉販売業』や『食肉製品製造業』の営業許可が要ります。ラーメン店が自家製チャーシューを別売りするのも、『食肉製品製造業』が必要なんです」

 監督する保健所にしても、いまは飲食業が大変な時期なので、実質目をつむっている状態だと永田さんは言う。

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ここまで

 

→ここ実は突っ込みどころがたくさんあります。これ新法ではご飯がついてれば飲食店、ご飯がなければ惣菜という概念自体の議論と、調理と製造の概念の議論は新法改正にあたり相当多く議論されました。

これは各自治体の判断にもよるのと一番判断材料として大きいのは販売数です。どれだけ多くの消費者へ販売し喫食されるかという問題です。というのは万が一食中毒が起こった場合甚大な被害になるのを防ぐため販売数が多い場合はやはり惣菜製造業が必要になるでしょう。施設基準や管理の点から惣菜製造>飲食店という関係になるわけです。

→あと生肉の販売、チャーシューの販売ですが今回の新法で食肉販売業は許可業種から届け出業種にお引越ししています。食肉製品製造業を取る場合、食品衛生管理者が必ず必要になりますので飲食店でこれを取ることは非現実的です。そもそも生の肉を切り分けて販売する場合は食肉処理業に当たるでしょう。保健所が目をつむっている???いやいや、今は新法改正されて猶予期間中でもあります。

しかも通知で表示や衛生管理が看過できないものはしっかり指導するようにと厚労省から各自治体に出ています。

さらに

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(抜粋)

飲食店では“こだわり”から食品添加物を敬遠する場合が少なくないが、ことテイクアウトにおいて、菌の増殖を防ぐ保存料などの添加物は一概に悪いものとはいえない。

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→いやいやここも突っ込みどころ満載なんですけど飲食店で敬遠されているから食品添加物が使えないわけではなくて、法令上から言うと飲食店営業では食品添加物を添加することはできません。食品添加物を扱う事業者はほとんど食品衛生管理者の常駐が必須です。

もちろん原材料にもともと含まれている添加物は別にしてもハムなんかを製造するときに発色剤としてよく使われる亜硝酸塩、亜硝酸ナトリウムとも言われますがあれは厳格に使用量が決められており、最終製品になった時の残存量まで厳格な定めがあります。

ここで上げられているチャーシューを作るときに発色をよくして保存性を上げようとして亜硝酸塩を添加しようとしたとき飲食店では法令上できないだけではなく現実的に不可能です。

亜硝酸塩はボツリヌス菌抑制効果もあり保存性も高まりますが利用量を誤れば非常に危険な発がん性物質にもなります。

ちゃんと正しい情報を消費者へ伝えていただきたいものです。

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。