皆様こんにちは。食品衛生コンサルタントの大野です
少し前でしたが食品を原因とした悲しい事件が起こってしまいました。
京都府の食料品店が販売したレアステーキと称したユッケを食べた22人が0-157を原因とする食中毒を発症しました。その他同じ食料品店で製造されていたローストビーフでも発症しているようです
うち高齢者が1名亡くなっています。
数年前も焼肉店でユッケを食べた子供が命を落としました。
この事件をきっかけに牛の生食、レバーの生食に関しては規制ができたのですが今回の食料品店ではユッケではなくレアステーキという名前で販売されていたため、消費者もこれだったら大丈夫だろうと
誤認を与えてしまった可能性があります
ステーキ店へ行くと大体焼き加減をレア、ミディアムレア、ウェルダンか聞かれますよね。
消費者側も表面があまりにも赤いままのものはきちんと加熱されていないかもしれないという認識を
持つ必要があるのかもしれません。
ローストビーフも通常の飲食店や惣菜店で提供する場合は加熱食肉食品という扱いで厚生労働省の規定では表面をしっかり加熱殺菌した上、中心部を75℃1分かまたそれと同等条件で加熱することとなっています。
よくメディア等でローストビーフの店が紹介されており、調理方法を見ると低温調理でお湯の温度が70度前後で2時間から3時間浸水させて調理し表面を加熱しないまま提供しているものはよく散見されます。
ここで整理すると
厚労省規定 中心部を75℃1分かまたそれと同等条件で加熱
湯温70度前後で2時間から3時間
この違いは何かというと厚労省の規定はあくまで表面を加熱したうえで中心温度を決めています。
もう一方はお湯の温度。お湯の温度は冷たいものを入れれば当然下がります。70℃の温度に戻るには時間もかかります。
それと同時に50℃から65度前後は細菌が増殖するには絶好の環境。2時間という時間では細菌培養しているようなものです。
しかも腸管出血性大腸菌0-157は牛肉表面に多く付着しており、表面をしっかり焼き切って
殺菌する必要もあります。
もちろんローストビーフですからロゼ色にならなければ美味しそうなビジュアルではないですよね
生肉に近い赤色と火が入っているロゼ色とは実は微妙に違います。
腸管出血性大腸菌は子供や高齢者には命にかかわる事態にもなりますので提供する側は本当に
十分注意する必要があります。
中心部まで十分加熱する必要があるのであればきちんと表記すること、ローストビーフとして販売するのであれば製造規格を厳守すること、十分加熱できていない牛肉をレアステーキと称して消費者が誤認するような表記をして販売しないこと等気を付けて販売することが重要です
細かい規定も色々ありますし複雑でもありますのでこういったご支援もさせていただいていますので
いま販売しているものに不安がある、これから販売したいと考えている等ご相談ください
本日も最後までお読みいただきありがとうございました